DOSEIの日記

技術メモ+日常ログ

幾何学」というはてなキーワードの定義についていろいろ議論されていたらしいです。今ごろ知りました。
幾何に限らす、数学の概念は段々と抽象的、一般的に拡張されていきます。私は今いる研究室の教授の講義で一般化することの楽しさを学んだんですが、一般化しても、用語はその類似性からそのまま使われることが多いんですよね。
たとえば、中学・高校レベルの数学で使われる「相似」は、線型代数でもその類似性から「相似」という用語が使われます*1。方程式や行列を図形と関連付けて考えた結果であり、幾何から発展した証拠です。
残念なのは大学の教養ではその辺の話が全然なかったことです。突然基底という用語が出てきて、突然これを座標といいますとかいいだして、突然表現行列ですとか、突然基底の取り替えですとか、ただ単に式の変形だけで話を進めていくという…。何を一般化したことなのか、どうしてこんな話が出てくるのか、その辺をちゃんと説明してほしかったなぁ(そういえば放送大学線型代数の講義はもっとわかりやすかったなぁ)。
ちなみに、さっきの教授の授業で習った一般化で一番ときめいたのは、関数漸化式をコンパニオン行列の線型方程式で表すこと。これで実数の行列乗が定義できるんだねぇ。

*1:B=P−1APのときAとBは相似という。ついでに言うと、Pが丁度Ax=λxを満たすベクトルx(固有ベクトル)を並べた行列だった場合、Bは対角行列となり、その成分は固有ベクトルに対するλ(固有値)になる。これを図形と関連付けるなら、ある座標系では表しづらい図形の方程式が(たとえば斜めってる楕円)、適当な1次変換を見つけると簡単な式(円)で表せるということ。