外積が行列で書けること
空間上の回転
id:DOSEI:20060512:p1 で書いた通り, 外積の計算は行列を使って線型変換の形で書ける:
a × b = [a]× b
で、単位ベクトル n の(原点を通る)軸周り、回転角 θ[rad] の回転行列は
exp(θ[n]×)
と書ける。ただし、指数を行列に拡張した定義は、テイラー展開した式で形式的に行列で置き換える事で与えられる。
平面上の回転
複素平面において、a+bi を [a,b]⊤ と同一視すると,
となり、特に i を掛けることは、 を掛けることに対応する。ここで, • はベクトル表記での複素数の積。これは、3次元の外積と類似した関係。そこで、
という演算子[]•を定義する。
複素平面上の回転は
exp(iθ)(a+bi) = (cos θ + i sin θ)(a+bi) = (a cos θ − b sin θ) + (a sin θ + b cos θ)i
で、ベクトル表記では
である。
したがって、原点中心に回転を表す行列は
となっている。これは 3次元の回転行列の式と類似している。3次元の場合の軸を表すベクトルに対応するのは、[0,1]⊤ というベクトル、つまり虚数単位らしい。2次元平面において回転軸という概念はないが、これはアナロジーとして何を意味しているのか?3次元ではノルムが1であれば自由にあたえらるが、2次元の場合はどうなるのか?またこれはn次元に拡張できるか?